日書連12月理事会報告
2003年12月18日
1、ワラヂヤ返品入帳問題。
念願の伊従日書連顧問弁護士と勉強会を持つ。
「取次が話し合いに応じないのなら、『取次の優越地位の乱用』で公取(企業取引課)に是正処置を取って欲しいと指導を仰ぐと言いなさい」と御指導戴いた。これは、昨年来私たちが、取次に次のことを要求してきた事に対しての先生の指導でした。
@商習慣で地図の版元の商品はフリー入帳であった。
A版元が倒産しても、取次にある買掛残の範囲で取って欲しい。
B現に取次は「返品があるので、2年間精算を保留する」と言っている
ではないか。
この要求について、言を左右にして話し合いに応じないで来た結果です。
少し動き出すかな。
2、スタートアップ。
@昭和図書(小学館の実験店舗)見学報告があった。ICタグをつけてダンボールまるごと検品は今のところ、約70%の読み取り。湿度に強い周波数に替えて行く計画。100%を目指している。また、Sネット受注が従来の注文品(処理に3〜4日かかっている)に比べて、最優先で動いていたとのこと。
AΣBOOKとソニーの相互変換ソフトの開発は中止。先のシステムは書店がからむ。後者はそうではない。
B貸与権。文化庁の審議が終わり、12/10〜24まで同庁のHP上で国民の意見を聞く段階に入った。主なコミック版元5社が理事会に来られこのHP上に賛成意見を書き込んで欲しい旨訴えがあった(韓国では最早新刊コミックは出ず、レンタル用としてしか刊行できない状況だ)。レンタル側が大量(千通)に反対意見を入れるようだ。メールアドレスは、chosaku@bunka.go.jp
C雑誌の年間契約。イ、トーハンは1/20スタート、ロ、日販が「マガジンエキスプレス」と、ロ、大阪屋が富士山マガジンと、ハ、アスクル(文具)も参入などと書店店頭を介さないものや通ってもマージンが88と高く厳しい状況になってきている。
3、増売。
今年の「心に残る新刊子どもの本セール」の販売状況は、大阪が約一千万円の売上て約10万円の報奨金を獲得した(全体で40万円、14県)。
4、読書推進
「第4土曜日は子どもの本の日」来年は3県(佐賀、滋賀、香川)で実施。04年「日本縦断記念文化講演会開催地」に大阪が入っている。相手版元は、光文社。この社の都合でこの間西谷さんがとった会場が御破算になった。再設定ということになる。事務局長ご苦労さんです。これは先年一度大阪でも開催されたが、30万円が「サンジョルデイ実行委員会」から支給され会場費ほかに、講師料・広告告知費は出版社持ちで運営されている。
5、万引き
東京都、神奈川県(横浜市)で、取り組み進む。
前者では、東京都・警視庁後援でポスターを作成、全書店に掲示する。捕まえた場合、@損害賠償を請求する。算出基準は、万引き防止に伴う経費。例えば、警察で調書を取られる時間、店内に導入している機器類の経費なども対象になる。後者は「万引き防止横浜協議会」を10月21日に設立。12月14日700名参加でシンポを開催した。これら二つの行動が、マスコミに大きく取り上げられ効果がみられた。また、不健全図書の「包括指定」を東京都は行なわない事に決定。全国唯一の県となる(長野県は、条例そのものが無い)。警察官の書店内への立ち入りも否決された。18才未満からの新古本の買い入れは既に神奈川が禁止。東京都もそうする予定で行動に入った。
6、再販。
大阪組合は先月文藝春秋社に取次に文書を出してくれるよう要請した。その文藝春秋社がトーハンに文書を手渡すべく赴いたところ、受け取りを拒否された事件が起きた。これを聞いて、朝倉書協、浅野雑協両理事長が当該取次(小林社長)に出向いた。しかし、@リスト(違反店)の再調査。A来年1月6日付け週報で「ポイントは再販違反です」の記事を出す。という返事のようだ。これを巡って、並河氏が「そんな事を認めていてはだめだ。内容証明で当該違反店に送付するように申し入れるべきだ」と発言。紛糾し出した。ところが、肝心のところで、冒頭の「伊従弁護士との勉強会」が入り、私と先輩は退席。後はどうなったか良く分らない。尚、違反で上がっている12社中4社を除いて改善に向かっており、その内2社は入店時にポイントカードをその条件にされていた。との発言が委員長からあった。沖縄の山田理事長は自らの出店を例に挙げて、「私はそれを求められたが、断った。だから当該店にそう申し上げるべきだ」と発言した。
冨士原さんが17日組織委員会に見えていたようです。ご苦労様でした。
本日は、虎谷、戸和、中島、坂井、西谷氏と大阪府教育委員会に「読書推進」の件で行ってまいりました。ご参加戴けなかった方にも明日御報告申し上げます。